2011年09月03日

しずくちゃんPOLON 塗装編3

日頃からよく目にする楽器のニスが、一体どんな材料から出来て
いるのか全く知らなかった私。
日本リノキシンさんのサイトを見るも、石のような塊や謎の粉末の数々に茫然。
楽器で見るあの艶やかな「ニス」に、最初はなかなか結びつきませんでした。

弦楽器のニスはシェラックをはじめ複数の樹脂類や染料を調合して作られます。
それは音響と見た目の美しさのために先人たちが試行錯誤を重ねた上に伝統的に引き継がれている技術です。
おそらく世界に幾通りもある調合と塗装技術でしょうが、今回は「ヴァイオリンニスの作り方」を参考に
シンプルな調合のものに挑戦することにしました。

作業を開始してからも次々と問題が発生。そりゃあPOLONはここにしかないオリジナル、
それもカリンバ!ですから、他の楽器とは材料も違うし形も違う。
そんな楽器に畏れ多くも伝統的なニスを、それも初めて自分で調合(?!)して
塗ろうだなんて、通常は考えないことかもしれません。
しかし当工房は他の人が考えないことをするのがモットー。

結果は・・・
以前のクロマチックカリンバやPOLON第一号と比べ、明らかに音の立ち上がり
が改善し輪郭がはっきりして、ニスの効果を実感するものとなりました。
もちろん次回への課題は山盛りですが、それよりも今回は「ニス」という
技術を通してまるで錬金術のような深淵な世界を垣間見ることができたのが、
何より印象的でした。
長い歴史と文化の中で芸術と科学が混じりあってゆくような、そんな感動を覚えました。

そんな訳で紆余曲折しながら雪崩のように襲い掛かる難関を強行突破し、
大騒ぎのうちにPOLONピカピカ計画はなんとか終了したのでした。
DSCF0008a.jpg

最後に今回の頼みの綱だったのは日本リノキシン中村さん。塗装の知識も何も無い初心者の質問に丁寧に
答えてくださった上、貴重なアドヴァイスもいただきました。
この場を借りて、改めて感謝申し上げます。
タグ:工程 ニス
posted by しずく at 18:58| Comment(0) | POLON

2011年08月29日

しずくちゃんPOLON 塗装編2

昼間はセミの声、そして夜は秋虫の声が聴こえるようになりました。
風も爽やかにちょっと冷たくなってきました。


さて、「シェラック」というものでPOLONをピカピカにできそうだと思った私。
それではフレンチポリッシュ(鏡面仕上げ)ではない他の方法で、シェラックを
使った塗装って?

「ヴァイオリンなどの弦楽器の音はニスの音である」
そんなのを聞いたことを思い出しました。
もちろんそればかりではないでしょうが、いわゆる弦楽器の「名器」はそれに施されたニスにも
大きな秘密があるとか。

ヴァイオリンのニスにもシェラックが使われています。じゃあヴァイオリン
ニスってどんなの?と調べはじめた私の前に壁が。
ネットでも図書検索でもなかなか情報が出てこない。特に日本語の資料で
手軽に手に入るものは少なそう。

伝統的な技法は専門の学校や工房などで、きちんと職人さんから学ぶものと思いましたが、
あいにく近隣には弦楽器製作教室はありません。
今回の私のようにDIY的に独自に調べてすぐ出来る、なんて領域のものではないのです。
おそらく書籍を読んでもチンプンカンプン、でしょう。


メゲそうになりながらも調べるうちにヴァイオリンニスの材料を
扱っているお店を見つけました!
「日本リノキシン」http://www.nlinoxin.co.jp/index.htm

ここでは調合済みの楽器用ニスをはじめ、色々なニスの材料を扱っています。
初めて見る樹脂類や染料。それらをどうやって使うのか皆目見当が付きませんで
したが、日本リノキシンの中村さんの著書「ヴァイオリンニスの作り方」を
読んで、やっとニスの概要をつかむことができました。


そしてようやく、手探りながらもPOLONをピカピカの色付きにする
方法が見えてきました。


Lady Blunt
(写真は先日競売にて約12億で落札された1721年製ストラディバリウス。
収益は全額、東日本大震災の被災地支援にあてられた。)


金額も然ることながら、おいそれとは引き合いに出せないのだが。。。
 
タグ:工程 ニス
posted by しずく at 10:46| Comment(0) | POLON

2011年08月21日

しずくちゃんPOLON 塗装編1

ようやく暑さも一段落して、蒸発寸前だった私もうるおいを取り戻しつつあります。
さて、「しずくちゃんPOLON」続きです。

製作にあたって私が出したリクエストのうち、その1は工房主が素晴らしいスタンドを作ることで解決してくれました。

そして、その2とその3の役目は・・・

                   想定外なことに私に回ってきました。

さぁ、POLONをピカピカの色付きにするにはどうしたらいいか?

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ここで遡ること数年前。私は楽器製作はおろか、それまで「モノを作る」ということにおおよそ無縁
でした。もちろん「DIY」もやったことがない。
それがどういう訳かこの工房に出没するうち、気が付くと自分用の楽器を作ることになっていて、
3年前に出来上がったのがクロマチックカリンバ「しずくちゃん号」でした。
110821_2100~002.jpg

工房主の口車に乗せられて図面引きから製材、道具の使い方、そしてキー打ちまで1から指導を受けました。
私のそれまでの仕事は音楽に関わるものでしたが、演奏するのと作るのじゃあ天と地との差。
おまけにこの工房に居ると、まさか自分がやることになるとは思わなかった
ような仕事を次々と任されるという、怖ろしい工房だったのです。。。

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そんな訳で、今回もまさか私が?!楽器の塗装をするという事態になりました。
そこで最初に行くのはいつものホームセンター。
ひとしきり見ましたが・・・なんか違う。フェンスに塗るのとポロンに塗るのが同じでいいのか?!

次に調べたのは楽器用の塗料。
(っていうか何故最初に楽器用を調べない?!)

エレキギターなどに使われるような有機溶剤は使いたくない。
ケミカルな材料ではない、楽器に適した塗装とは?

そんなものを調べるうちに出てきたのが「シェラック」
シェラックとはカイガラムシの分泌物から作られる樹脂状の物質で、アルコールに溶かして使います。
ヴァイオリンなどの弦楽器のニスや木製家具の塗装、おまけにチョコレートなどの光沢や薬のコーティングにまで使われるというスグレもの。


実はこれ、工房にありました。
以前に工房主がギターパーツのお店で買ったといいます。
しかし、楽器に塗るためではなかったとか・・・。

そしてシェラックを使った塗装を調べた訳ですが、伝統的なクラシックギターや家具では
「フレンチポリッシュ」という鏡面仕上げにするらしく、YouTubeでも手順を見ることができます。
しかしその徹底的な磨きっぷりにひるんだ私。
(・・・そこまでピカピカにしなくとも・・・)


とりあえずPOLONをピカピカにできそうな材料は見つけました。
次はシェラックを使ってどんな塗装方法をすればいいのか、
情報収集が続きます。
タグ:工程 ニス
posted by しずく at 21:09| Comment(0) | POLON